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診療内容

糖尿病性足部障害(壊疽)

 糖尿病患者では末梢血管障害や自律神経障害および末梢神経障害を合併し、様々な足部障害を引き起こす。末梢血管が障害されると糖尿病性足部壊死を生じる。また、自律神経の障害により骨吸収が促進されると関節破壊が進行し、Chrcot関節となる。末梢神経の障害では運動神経の障害により内在筋が委縮しハンマートウや鈎爪趾を起こす。足部縦アーチの低下と外反母趾や内反小趾を起こすこともある。知覚神経の障害を認める場合は微小外傷を繰り返し、足部潰瘍を起こすこともある。これに細菌感染が併発すことにより難治性となる。

原因

 糖尿病足壊疽では、虚血と感染の両方で壊疽が進行する。血行障害がなくとも感染だけで壊疽が進行する。また血行障害が極めて軽度でも感染が加わると壊疽は進行する。つまり壊疽は血行障害と感染のかけ算で重症化するため、適切な治療が遅れると膝下や膝上での切断が必要になる。

症状

 趾尖部のうっ血や水泡を初期症状として潰瘍を形成してゆく。また黒色の壊死領域が出現してくることも多い。無自覚で無兆候の場合には、しばしば進行して潰瘍や感染を起こしてから診断されることがある。

診断

・糖尿病性潰瘍・壊疽の臨床重症度分類(Wagner分類)
 Grade0 潰瘍治癒後ないし発症前
 Grade1 表在性潰瘍:皮膚全層に及ぶが皮膚までは達しない
 Grade2 腱や筋まで達するが骨に達しない潰瘍で潰瘍形成も認めない
 Grade3 より深部まで達して蜂窩識炎や膿瘍形成を認める潰瘍で、しばしば骨髄炎を伴う
 Grade4 限局性(前足部)の壊疽
 Grade5 足部の大部分(3分の2以上)に及ぶ壊疽

潰瘍ができて1か月以上治癒しない場合、感染の有無(菌の種類)、血行障害の有無を診断する必要がある。
(1) 検査
 ① 細菌検査:感染診断は潰瘍、もしくは壊疽部の菌の種類を特定する。
 ② 皮膚還流圧検査:皮膚の血行障害を確認する。
 ③ 動脈造影検査:血行障害を診断する。下腿動脈の多発分節性狭窄病変があれば診断がつく。壊疽がなくとも間欠性破行のある場合は造影検査が必要である。
 ④ 頸動脈検査、心臓に狭心症の有無:脳、頸動脈、心臓の血管に動脈狭窄の有無を診断する。

治療

(1) 保存的治療
 潰瘍に対しては、足趾に限局する場合は消毒を行ったのち、生理食塩液やインスリンを浸したガーゼで覆い足趾全体まで保護する。

(2) 外科的治療
 ① 血行再建
  潰瘍や壊疽がある場合は、切断をしないために動脈バイパス術や血管内カテーテル治療やステント留置による血行再建を行う。末梢循環の改善を図った上で局所の状態に応じた処置を行う。
 ② 足壊疽に対する手術
  壊疽切除断端の浄化、感染制御、デブリドマンなどによる創治療。
 ③ 創に対する手術
  浄化された創に対する遊離植皮や遊離筋皮弁による断端形成手術をする。

予防

 糖尿病性閉塞性動脈硬化症は、バイパス術を行っても動脈硬化が進行しやすい。それに対する追加手術が必要となることが多い。糖尿病の患者は、血糖コントロールや運動療法実施し進行を予防することが重要である。また、糖尿病患者は足の障害を認識し、早期対処し、適切なバイパス術を受けて下肢の運動機能をより早く、健康にすることが大切である。

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