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診療内容

動脈性足潰瘍・虚血肢


動脈性足潰瘍とは、下肢に動脈硬化が起こり、血行が遮断されたのち潰瘍化する末梢動脈疾患である。冠動脈以外の末梢動脈である、大動脈、四肢動脈、頸動脈、腹部内臓動脈、腎動脈の閉塞性疾患で「末梢動脈疾患(peripheral arterial disease; PAD)」を、わが国では ASO の同義語として使用されることが多い。

原因

末梢動脈疾患(PAD)のリスク要因
PADがある人で、実際に症状を感じる人はわずか半数である。そのため、リスク要因のある人は検査を受けることが重要となる。リスク要因には以下のようなものがある。
 ①年齢50歳以上
 ②喫煙している、もしくは喫煙していたことがある
 ③糖尿病患者
 ④高血圧
 ⑤高コレステロール
 ⑥本人もしくは家族にPAD、心疾患、心臓発作、心筋梗塞の既往がある
 ⑦運動量が少ない

PADには症状のある時と無い時があり、見逃して進行することもある。痛みを生じる歩行距離は一定の距離で発現する間欠的跛行が、PAD患者の1/3から半分の方に起こる症状である。間欠性跛行とは、 歩くと足が痛み、休むと痛みが治まることをいい、これは動脈硬化による血流障害によって、筋肉の酸素需要の増大に供給がおいつかないことが原因である。速足や階段、坂道では症状が出やすい。
動脈硬化が重症になると、つねに痛みを感じるようになる。これは重度の虚血による安静時疼痛と呼ばれ、潰瘍や壊疽の危険を伴い、下肢の切断が必要になることもある。進行性の疾患であり、重症度によって分類されている(表2)。

症状

重症PADの主な症状
 ①ふくらはぎの筋肉の萎縮
 ②足や足指の脱毛
 ③足指の爪が厚くなる
 ④皮膚に光沢が出てつっぱる
 ⑤足に痛みの強い潰瘍があり、出血しない、黒い、治りにくいなどの兆候がある

診断

診断を行うための検査は非侵襲的で、スクリーニ ングを中心としたものから、侵襲的で障害部位を特定できるような検査へと進めていく必要がある。動脈性 潰瘍、壊疽が疑われたら、ABPI(足関節・上腕血圧比)を施行する。安静時の収縮期血圧は閉塞や狭窄の程度のよい指標である。足関節血圧は有意な狭窄がなければ上腕より高くなる(ABPI≧1.0)。測定における変動性を考えて、一般的にはABPI≧0.95としている。

治療

(1)保存的治療
①糖尿病等の基礎疾患のコントロール
②創傷のデブリードメント
創傷のフィブリン、壊疽組織のデブリードメントを行う。デブリードメントにより創傷が悪化する可能性があると判断された場合、デブリードメントは行わない。感染が見られた場合は、培養を行い、抗生剤を処方する。
③ゲーベンクリーム など
感染を防ぎ、湿潤環境を保ち、創傷治癒を促進する。副作用は発疹、発赤、接触皮膚炎などがある。
④装具
除圧サンダル

(2)外科的治療
血管内治療(バルーン形成術、ステント植え込み術)、バイパス手術、再生手術などがある。

予防と注意点

(1)禁煙
(2)コレステロール値のコントロール
(3)糖尿病のコントロール
(4)定期的な運動

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