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診療内容

痛風

 痛風性関節炎(以下、痛風)とは、尿酸が関節内にたまることで疼痛を伴う疾病である。尿酸とは、食品に含まれるプリン体が分解された時に作られる結晶であり、尿酸は血液中にも存在し、通常は尿とともに排泄される。痛風のある人はこれが排泄されずに関節にたまることで痛みを生じる。特に、痛みが生じやすい部分は歩行時に圧が高まる部分になり、多くは5本の足指の骨の付け根(MTP関節)などが挙げられる。痛風は安静時においても激しい痛みを伴う発作がある。

原因

 痛風は関節に尿酸が蓄積することでおきる。尿酸は血液中に存在し、通常は尿とともに排泄されるが、痛風のある人はこれが排泄されずに関節に溜まる。尿酸はプリン体を代謝したもので、人体や食べ物にみられる。腎 臓で排泄仕切れないほど尿酸が溜まると痛風になりますが、男性は女性よりも影響を受けやすく、遺伝がこの病気に 関係している可能性もある。赤身肉、濃厚なソース、貝類、ブランデーなどを多く含む食事が普通は通風と関係があるが、レンズ豆、豆類などを含むタンパク質が豊富な食事も関係があると言われている。 他の要因としては、高血圧、糖尿病、肥満、外科手術、化学療法、ストレス、服用薬、ビタミン剤などが挙げられる。

症状

 足部はよく発症するところで特に第1趾の付け根、足の甲、アキレス腱の付着部などに起こる。激しい運動後に暴飲暴食をすると、その夜間に起こる。特に、多量のビールと肉類を食べると、足の第1趾の付け根が赤く腫れて痛む。その他には、足部では足の甲やアキレス腱の付着部によく起こり、肥満や高血圧などの生活習慣病と合併することがある。発作がよく起こる場合には、その前兆となる「むずむず感」を感じることがある。

合併症

 尿酸の結晶により関節炎が起き、関節周囲や皮膚の下に結節ができ(痛風結節)、腎臓にたまった結晶により腎機能が低下し(慢性腎臓病)、尿路結石ができる。そのため、痛風結節、慢性腎臓病、尿路結石は痛風の合併症といえる。しかし、これらは尿酸の結晶としる、痛風発作と同じ原因によって起きるので、痛風という病気そのものの障害であって、合併症に分類されないこともある。尿酸の結晶が原因とは言えない合併症もある。例えば、心血管障害(狭心症や心筋梗塞)や脳血管障害(脳出血や脳梗塞)は痛風におきやすい合併症である。痛風でない人もこれらの病気は発症するが、研究により、痛風患者ほど、また尿酸値が高いほど発症しやすい事がわかっている。  さらに肥満、高血圧、高脂血症の人も痛風患者や尿酸が高い人に多いここともわかっている。

診断

 症状から比較的診断は明らかであるが、血液中の尿酸値を測定することが必要。尿酸値が7.5mg/dl以上になると、血液中で尿酸が結晶になりやすい。この値には測定方法により多少の差があり、個人により発作が出る値にも差がある。すなわち、7.5mg/dl以下でも発作がでることがあり、9mg/dlを示す場合でも発作がでないことがある。 確定診断には、関節液や痛風結節の組織を偏光顕微鏡で観察し、尿酸ナトリウムの針状結晶を確認する。なお、痛風発作中の血清尿酸値は必ずしも高値を示さない。CT、MRI、超音波検査も有用である。鑑別診断として、偽痛風、化膿性関節炎、関節リウマチ、蜂窩織炎が挙げられる。

痛風関節炎の診断基準 (日本痛風学会 治療ガイドライン)
(1) 尿酸塩結晶が関節液中に存在すること。
(2) 痛風結節の証明。
(3) 以下の項目のうち6項目以上を満たすこと。
 ① 2回以上の急性関節炎の既往がある。
 ② 24時間以内に炎症がピークに達する。
 ③ 単関節炎である。
 ④ 関節の発赤がある。
 ⑤ 第一中足趾節関節の疼痛または腫脹がある。
 ⑥ 片側の第一中足趾節関節の病変である。
 ⑦ 片側の足関節の病変である。
 ⑧ 痛風結節(確診または疑診)がある。
 ⑨ 血清尿酸値の上昇がある。
 ⑩ X線上の非対称性腫脹がある。
 ⑪ 発作の完全な完解がある。

治療

(1) 保存的治療
 ① 薬剤
 痛風の発作が起きたら消炎鎮痛剤の痛み止めを飲み、発作の起こっている局所にはステロイドの注射が有効。それでも効果がない場合には、コルヒチンという薬を1時間おきに1錠ずつ飲んでいくと3~4錠で効果が出る。この薬剤の副作用である下痢を生じた時点で服用を中止する。発作が治まってからは、血中の尿酸値を下げる薬の服用を開始する。
 ② 装具
 発作による強い痛みで靴が履けない場合は、市販のサンダル、又は柔らかい素材の靴を履く。

(2) 外科的治療
 痛風治療の基本は適切な尿酸コントロールにある。痛風発作は、経過の早い時期からできるだけ強力や消炎鎮痛剤で疼痛を寛解させ再発作を抑制しながら血清尿酸値を下げる。血清尿酸値を6.0㎎/dl未満に維持することで、痛風結節の縮小、消失が認められ、再発を防止できる。

予防

 痛風の治療における血清尿酸値の管理が容易になったとはいえ、高尿酸血症・痛風が代表的な生活習慣病であることを認識するならば、生活習慣の是正を目的とした非薬物療法としての生活指導の役割は大きい。

(1) 食事指導
 まず、食事の改善を指導する。尿酸が血中に増えないように、プリン体の少ない食品を選んだ食生活にかえるように指導を行う。プリン体の少ない食品は、野菜、チーズ、鶏卵などがあり、肉食から菜食にかえる。注意しなければならないプリン体の多い食物は、肉類でもとくにレバー、エビやイカなどの海産物、飲み物ではビール等で、これらを控えることが基本である。
 ① 食事療法
 高プリン食を極力控える指導。プリン体として1日の摂取量が400㎎を超えないように指導を行う。プリン体の少ない食品は、野菜、チーズ、鶏卵などがあり、肉食から菜食にかえる。注意しなければならないプリン体の多い食物は、肉類でもとくにレバー、エビやイカなどの海産物を控えることが原則である。

 ② 飲酒制限
 アルコール印象は、プリン体の有無にかかわらず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため、種類を問わず過剰摂取は慎むべきである。特にビールはプリン体を含むばかりではなく、エタノール等量で比較するとほかの酒類よりも高エネルギー飲料であるため、肥満を助長する可能性があり注意が必要。血清尿酸値への影響を最低限に保つ目安としては、日本酒1合/日、またはウイスキー60ml/日程度であろう。

 ③ 運動の推奨
 過度な運動、無酸素運動は血清尿酸値の上昇を招くため避け、適正な体重(BMI<25)を目標にして、週3回程度の軽い運動を継続して行うことが望ましい。有酸素運動は血清尿酸値に影響せず、メタボリックシンドロームの種々の病態を改善させる。

(2) 生活指導
 高尿酸血症および痛風は代表的な生活習慣病であり、食事療法、飲酒制限、運動によって血清尿酸値が低下する。適正なエネルギー摂取、プリン体・果糖の過剰摂取制限、十分な引水が推奨される。ビール摂取の増加とともに血清尿酸値の上昇や痛風の頻度が上昇する。

(3) 自宅での注意点
 ① 太り気味で、肉やビールを好む男性は、年に一度は血液中の尿酸値の検査を受ける。
 ② 夜間に第1趾の付け根やかかとの後ろが痛むときは、この病気を疑う。
 ③ 一旦この病気になると、再発を繰り返すので、食事に注意して菜食主義に変更する。
 ④ 尿酸値を下げる薬は、医師に要相談。中止や続行は医師に決めてもらう。

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